電音の工場ブログ

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2011-01-07

『エレキジャック セレクト ― 大人のための実験工作マガジン』 No.1

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以前 出る出る - 電音の工場ブログ - E-Musicグループ に書いたように id:r0r0さんのSuper Edge 2 をおーつかセンセが記事化したものがムックに載りましたよ。12月16日発売。

ただ、エフェクタ自作 が第1義に来ている人たちは電子工作一般に手を伸ばのは躊躇するかもしれないと思う。基板付きとはいえ1890円の雑誌でFUZZの記事がひとつ載っているだけなので… もう2、3個エフェクタの記事があったらなぁ、とか、ヘッドホンアンプ記事がプリント配線基板付きだったらなぁとか思う次第。


ところで、今回の掲載誌が「エレキジャック」ということで少し構えていた。

というのもこちら1こちら2でエレキジャックで検索していただくと分かると思うが、創刊から数号買ったものの、このムックに良い印象を持つことが出来ていない。私は電子工作がしたいのであって、岩塩ランプで癒されたくはないよ… 結局1年(季刊なので4冊)で定期的な購読を止めた。その後『エレキジャック』は購読者ターゲッティングの戦術を変えたのか複数のムックに分派した。

そんな印象ではあるが、大塚さんの記事だし、今回は特集が「大人っぽく音楽で遊ぼう」ということでもあるので、買ってみた。

これは当たりじゃなイカ?

というのが第一印象だった。頭の$69も払って386パワーアンプを作ってしまうような痛い記事もあるが、デスマス口調になって中身は編集者に勝手に削られたらしいとはいえ大塚節のFUZZ記事だし、ぺるけさんの4線式ヘッドホンアンプは共通インピーダンスの問題を提示してくれているし、『エレキジャック』にしてはこれまでのものと較べると地に足の着いた製作が載っている印象だ。エレ工房さくらいの櫻井さんの記事も良いし、NPO法人ラジオ少年の活動も素晴らしい。

その他の製作も、タイマの製作記事は冗長を感じるものの普段の実験や製作の活動が、どの記事も誌面になるまでにさまざまな試行錯誤や実験を経ているものばかりで素晴らしい。その活動は作者自身がWEBサイトにしているようだ。ABCDEFGのefuさんの実験のいくつかが誌面で読める… WEBにはもっとコラムや製作記事がある… この雑誌でABCDEFGのサイトURLを知って良かった… これからはWEBで最新版の記事が読めるね… あれ?

そういえばちょっと前に買った『電子おもちゃをHCS08で作る(マイコンと電子工作 No.3)』もそうだった。筆者の普段のWEB上での活動が誌面になっているそういうムックだった。筆者に敬意を表して買ったのだけど。

(装丁を除いて)雑誌になっている意味はなんだろう?

WEBで必要十分な情報が得られるのであれば雑誌は要らないんじゃない?

先日大塚さんと話すなかでクリアになったのだけれど、やはり雑誌誌面にする中でWEBでは得られない付加価値が欲しいと思う。深堀りだとか関連情報だとか俯瞰だとか新たな視点だとかそういう付加価値。文芸的なおもしろさでもいい。キットや部品屋のタイアップは大した付加価値とは言えない*1

例えば「リスニング・ルームにおけるスピーカの周波数特性の測定の実験―ECMとデジタル・マルチ・テスタで簡単に行う」という記事があって、なるほどECMでも簡易にf特を採れることを示してくれている。しかしその結果の確度が不明だ。それなりに高性能な測定器を出版社の力で借り受けてきてECM+DMMの測定結果と比較をすれば、より客観性を帯びてきて自作をする意義が明確になると思う。

どうでもいいようななんら付加的な情報のないキット製作記事はオミットする。

ぺるけさんの記事もプリント基板であれば自作の敷居が下がって4線式を本当に実験する人がぐっと増えるのではないかと考える。もっとも同サイズの万能基板が付いていたことからなんらかのアイディア倒れがあったのかもしれないが、それならそれで(涙を飲んで)次号に送ればいいのではないだろうか。

こうなってくると「電子工作する人を増やしたい」という目標に対して中途半端な態度がいくつか見受けられる、と気になってきてしまった。

ついでに言えば『CQ ham radio』分派の雑誌は、『CQ ham radio』本誌もそうだけれど、記事の粒度に対して鈍感だと思う。いや、これは「ついで」の話ではない気がしてきた。総合的に雑誌としてのポリシーとか立ち位置に係るイシューだと思う。

編集の奮起を期待する。


とはいえ、自分の経験から言うとCQ出版社は記事の誤りを指摘してもなにも反応のない出版社なので、こういうことを書いても何がどうなるということでもないと思うのだけれど、久しぶりに『エレキジャック』を手に取ったので書いてみました。

*1:出版社の看板のおかげでタイアップが成り立っているという考えもあるかもしれないけれど、部品調達が容易・P板が簡便に作れる・少額決済プラットフォームの台頭 といった条件が整えばいつの間にか個人ベース頒布になるのではないかしら

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