電音の工場ブログ

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2005-11-08

「誰でも本」その1

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薄い割りに高い印象のこの本。二冊発刊されているうち、Vol.2は100ページに満たないのに2000円もする高さである。あまりに高いので人から借りて読んだ。

誰でも作れるギター・エフェクター―Guitar magazine

誰でも作れるギター・エフェクター―Guitar magazine

  • 作者: 本多博之
  • 出版社/メーカー: リットーミュージック
  • 発売日: 2004/09

↑「誰でも本Vol.1」と呼ぶ。 ↓「誰でも本Vol.2」と呼ぶ。

誰でも作れるギター・エフェクター―ギター・マガジン (2)

誰でも作れるギター・エフェクター―ギター・マガジン (2)

  • 作者: 本多博之
  • 出版社/メーカー: リットーミュージック
  • 発売日: 2005/09

Vol.1はエフェクタ製作記事5つで1800円、Vol.2は8つで2000円である。

昔の話*1で恐縮だが、「エフェクター自作&操作術 '79年版」なんか33製作載ってて1500円だし、「最新エフェクター入門」では31製作記事で1100円なわけですよ。なに、それらは共著じゃないかって? ならば「ハンドメイド・プロジェクト」は単著者で29製作、1900円ですがな。そう考えるとどれだけ高い本かと…

しかしまぁそういって昔を懐かしんでいても仕方ない。今発刊されていて入手できるエフェクタ製作本はこれだけなので、他に選択肢はないのだから…

筆者の最初の印象はそんなところであった。

誰でも本Vol.1

リファラ(参照する人)

最初に目にしたVol.1は5製作しか載っていない。それも歪モノしかない。しかも定番の回路を流用している製作記事にあって、

  • 「ファズ・フェイスをイメージした」
  • 「ギルドの…ブースターをイメージした」
  • 「MXRディストーション+を思わせる…」
  • 「アイバニーズTS-9系の…」*2
  • 「70年代のアンペグ・スクランブラーファズをイメージした…」

と枕詞が付くので、びみょーな雰囲気を醸し出している。その上、日本国内では一般的でない型番のトランジスタを多用しており、筆者(私)のような生粋のエンジニアリングの立場から申し上げれば、それってものづくりの姿勢じゃないよね、と思うわけだ。

別にオリジナルじゃないからダメだといっているわけではないし、そんなことを言う気もない*3。リファー(参照すること)したならしたで付加価値の部分を明らかにしたほうが、リファリー(参照された元, リファレント?)の位置付けも、この著者の立ち位置も、言わんとしていることも明確になるのにな、ということである。

「必要な工具」と「ケースの加工」

「必要な工具」が挙がっている。

テンプレートよりもモノサシ、ノギス、スコヤのほうが必要だと思う。

ヒートクリップも初心者さんは好まれるが、良質のハンダづけ*4ができるようになれば、限られたゲルマ石を取りはずすときぐらいしか必要ない。それも手がたくさんある人ならピンセットで十分だし。

また、必要な工具としてケースの穴あけ用にハンド・ドリルを挙げている。それはいいんだけれど、どうして万力を紹介しないのか。ちゃんと押さえないと危険だ。18-19ページに「ケースの加工」を説明している項があってアルミダイカストケースを立てて側面の穴あけをしようとしている写真(工程12, 14)があるが、これこそ「やってはいけない」の好例。万力はネコの手(ヘルピング・ハンズ)よりも重要だ。

「ケースの加工」でバリ取り工程が載っていないのもよろしくない。怪我は可能な限り避けないとね。

中身について

中身については特に言及することはない。興味の沸く製作がないから(爆音)。何個か製作したことのある人であれば、ネットに次なるリソースを求めればいいのではなかろうか。逆に右も左もわからないような状態の人であれば、とりあえず誰でも本Vol.1を読めば写真も綺麗ですし、よろしいのではないかと存じます(棒読み)。

一点、「A/Bボックスを作ろう」のA/Bボックスで、入力をA/Bに振り分ける記事通りの使い方であれば問題ないが、逆に使ってA/Bふたつの入力を1出力に切り替えようという使い方はしないほうがいい。繋いだ機器を壊しかねないので。

そういえば

今更ながら「はじめに」に、

この本で紹介しているすべてのエフェクターは、Honda Sound Worksが考える“ロック”な音作りになっています。

という記述を発見。だから興味が持てないのだろうか。

この本では既存の音を追い求める立場であって、今までにない音を探るという方向ではないようだ。平気でライン送りにしちゃうし>自分

アンプで音を作るのは理解した上で、やっぱり空間的アコースティックだよね、とあとずさりして6dBずつ下がりながらネットの片隅で弱々しく主張する筆者であった。


えーと、長くなったので、Vol.2についてはまた後日。

蛇足

おかしいな、ほめるつもりで書き始めたのにこんな内容に…

切込隊長の「けなす技術」を読んだせいかもしれない。

*1:すでにいくつか行っているが、いずれ製作記事のリストアップを行おうと思う。

*2:イバニーズと呼ぶのはおじさんらしい。

*3:参考になるエントリは例えば 内田樹の研究室: オリジナリティについての孔子の教え たけくまメモ: 許される模倣・許されない模倣

*4:作ったものが動かないときに、「熱で部品を壊した」と思い込む人が多いが、そんなことは滅多にない。

r0r0r0r02005/11/08 07:42そうそう、滅多にないんです・・・・大体生きてるんです。
ゲルマだって生きてるぐらいなんですから。
半田がきちんとくっついていないほうが多いんです・・・・・
僕も-6dBで,叫ぶことにします

takedatakeda2005/11/08 20:45誰でも2買ったです。
かなり悩んだけど、ご祝儀というか、なんと言うか、次は良い本作ってね、のつもり。
女の子の裸の出てない写真集だと思う事にしてます。写真は綺麗ね、本当に。中身はほとんどないかもしれない。写真的に、なんか、これ、モエーみたいな感じの本を狙ったんだと思う。ちゃんと勉強したいヒトに物足りないし、そーゆー人が満足できる本が今はないというのが本当のところだと思う。
最期の方に、ちょっと良いテキストがあって、ギターの演奏について、ヘボいアンプを歪ませるべく、ピッキングが強くなりすぎて、フォームを崩してタイミングがズレる話はなるほどと思った。
ジミヘンのような、熱いうどんをすするような、ちゃんと味わうんだけど、熱いうどんが唇には触れるか触れないかみたいな、ずるずるっと言うか、そんな、ピッキングができるようになりたいな。
この本を見て作った(というか、作り始めて、出てるのを知って買ったんだけど)チャンプのページです。内容が勝負。
http://www.aleph.co.jp/~takeda/radio/tube/champ/

Biting RatBiting Rat2005/11/08 23:12関係ないですが、「アイバニーズ」なのか「イバニーズ」なのかは、外国の人が「い」の音を正確に発音できない?せいらしいです。「イチロー」もよく聞くと「うぃーちろう」と言っているんだとか。

ChuckChuck2005/11/09 08:57r0r0さん:経験の少ない人だと良いハンダづけと悪いハンダづけの区別が難しいから厄介ですよね。

ChuckChuck2005/11/09 08:59Biting Ratさん:そうですね。ディレクタがダイレクタとか、ヴィールスがヴァイアルスみたいな感じですね。子供のころあの綴りでイバニーズと読むのがイマイチピンときていなかったので、アイバニーズの方が音として収まりはいい感じがします。

ChuckChuck2005/11/09 09:08takedaさん:参考になります。誰でも本2 に関する記事も今週中にリリースします。ピッキングは難しいですわ。指で弾いても思い通りにコントロールするのが難しいし。
チャンプ製作記事はとても参考になります。私も球歪を仕上げたいし、作りたい球アンプもあるんですけどなかなか戻っていけません。